ホワイトニングの原理

当院に来院される方だけでなく、世間一般でもホワイトニングに興味を持たれる方は少なからずいらっしゃると思います。また、「白い歯」というものは誰しも良いイメージを持たれると思います。

しかし、どのようにしてホワイトニングで歯が白くなるかという原理については、あまり知られていないかと思われますので、ここではその原理についてお話しさせていただきます。


まず歯の表面にはエナメル質があり、その内側には象牙質があります。エナメル質は基本的に透明で、光を通す性質があります。象牙質は黄色~茶色をしている歯の部分です。


エナメル質には無数の「エナメル小柱」という管が象牙質に向かって走行しており、日常の食生活でこの管に色素が入り込むことで、歯の色が変わっていきます。この色素はエナメル小柱の中だけでなく、内部の象牙質の表面にも入り込み、さらに歯の色が変わる原因になります。

歯科医院で使用するホワイトニング材の主成分は過酸化水素です。この過酸化水素がエナメル質に入り込むことで色素を分解し、さらに象牙質表層の色素を分解します。このはたらきで歯の色を白くすることが出来ます。

さらに過酸化水素はエナメル質の表層の構造を光を乱反射させるように変化させ、内部の象牙質の色をマスクさせることで、より歯の色を白く見せることが出来ます。

まとめますと、
1.エナメル小柱内と象牙質表層の色素を分解する。
2.象牙質の色をマスクする。
この2つの効果で歯が白くなる、ということがホワイトニングの原理です。

では、ホワイトニングの方法はどのようなものがあるか、また世間で出回っているセルフホワイトニングはどのようなものかということは次回以降に説明させていただきます。

     ※参考文献 「歯科審美学」一般社団法人 日本歯科審美学会 編  永末書店